お口から感染予防
唾液はウイルスと戦う
口の中の粘膜は、体の内部と外部とが接するところ。外からやってきたウイルスや細菌が侵入しようとするため、油断できない場所です。いわば、緊張感ある国境地帯。
だからこそ、唾液には体を守る“警備員”がたくさん含まれていますその警備員とは、抗菌物質(抗体)のこと。。口の中でウイルスと戦ったり細菌の成長を邪魔したりと、日ごろから私たちの体を守ってくれています。
なかでも一番頼もしいのが『IgA(免疫グロブリンA)』!最近あちこちで注目されているので、聞いたことがある人もいるかもしれません。
IgA抗体は異物にくっついて粘膜への付着を防ぐ。
人の外分泌物に含まれるIgAは、主に涙や鼻水、唾液などに多く存在します。
これは食べ物とともにウイルスや細菌などが侵入しやすいことが大きな要因と考えられています。
IgA抗体が低くなると、上気道感染症(風邪)にかかりやすくなります。
抗菌物質『IgA』はここがスゴイ!
ウイルスの活動を邪魔する!
ウイルスを見つけるとすぐさま取り囲み、口の中の粘膜に付着しないよう邪魔します。
体内に入り込めなかったウイルスは、唾液の水分で洗い流されます。
未知のウイルスと戦う!
抗菌物質の中には特定の細菌にだけ働くものもありますが、『IgA』は守備範囲が広いのが特徴。
怪しいと判断したら、どんなウイルスとも積極的に戦います。
唾液の中にたっぷりと!
通常、1日に50~100mgの『IgA』が唾液腺から分泌されています。
唾液中の『IgA』濃度が高ければ高いほど、ウイルスへの感染リスクが減ります。
※唾液中にはほかにも抗菌物質がありますが、『IgA』が一番多く分泌されています。
唾液が少なくなる理由
口の中の筋肉や歯の衰えなどから唾液の量が少なくなります。また、ストレスがあると交感神経が強く働き、唾液の分泌が減ります。
唾液を増やすため
当院では歯とお口の健康を守るための「予防歯科」を行っております。
よく噛んで食べることで分泌が促進されます。しかし、虫歯や歯周病、噛み合わせの不調などで噛む回数が減ってしまいます。
唾液の分泌量を維持するために、口の中を健康にすることが大切です。